ep.29
晴秀
え。いや、だって…
若
お前と出会った遊馬は偽りじゃないだろ
晴秀
でも!
晴秀
遊馬が俺に話しかけた理由を答えられなかったんですよ。そんなの誰かの陰謀で、適当に話しかけさせてそれで…
若
お前そんな小せえことで悩んでんのか?ダッセェーな
晴秀
!?
若
じゃあ、晴秀は僕に初めて話しかけた時のことを覚えているか?
晴秀
覚えてないです
若
そういうもんだろ。初めましての記憶なんて、特別な理由でもない限り覚えてねーよ。どうせ、お前はひとりぼっちだったから、遊馬に話しかけてもらえたのが嬉しくて覚えてるだけだろ
晴秀
!?!?!?
若
その顔は当たりだな
晴秀
でも、
若
でもじゃない。遊馬はああいうやつだろ。優しくて、一人の人を見かけるとつい声をかけちゃう。それが当たり前にできる奴だ。当たり前だからこそ、お前に話しかけた理由を答えられないだけ
若
…少なくとも、俺はお前らを見てきた。そんな僕からすると、遊馬がお前と過ごした時間だけは、本物だったんじゃないかなって思う
晴秀
明永先生…
若
それに、誰だっていつかは別れが来る。それは同じ時代に生まれてもだ。同じ時代に生まれても、相手に感謝の気持ちを伝えられずにバイバイしなければいけないこともある。ちゃんと相手に感謝の言葉も伝えられる上に、自分の中で区切りをつけてサヨナラできること自体ありがたく思え
晴秀
はい。話を聞いてくれてありがとうございました
若
まあ…さっさと仲直りしろよ。幼なじみなら尚更な
晴秀
はい…。仲直りしてくれたらいいんですけど
若
出来るだろ。遊馬は、相手にモヤモヤを残させたまま消える男じゃない。担任の俺が保証する
晴秀
……
若
はい。悩むの終わり。ガキはさっさと寝ろ
明永先生の徹夜!爆速で丸つけを終わらせろ!パーフェクトで、ep.30解禁