ep.30

要人
たしかにプロポーズはしました。ですが、俺たちは法律上家族にはなれない

要人
だから、旧友であるオーナーに頼んだんです。神父役をやってくれないかって

要人
方法は全て任せるから、永遠の愛を誓えるかどうか、二人の愛が本物かどうか試してほしいって

飛鳥
そんなことをしなくたって…

要人
そうですね。でも、そうしてでも愛を確かめたくなったんです

要人
俺たちマッチングアプリで出会っているんですよ。それも理由の一つかもしれません。条件が合うもの同士が簡単に付き合えてしまう。だからこそ…と思ったのですが、

若
すみません。僕が下手くそなばかりに、失敗してしまいました

要人
そんなことありませんよ。結果として、『これからも二人で生きていこう』って強く思えるようになりましたから

飛鳥
というか試練って具体的になんだったんですか?

若
言いません。元々ありましたけど、あなたが全てパーにしたので。終わったことを今更言っても仕方がないですから

飛鳥
ちくしょ〜…

要人
『プロポーズに対して不安を感じてこの店に来た』側の罪悪感と、『プロポーズに対して不安を感じられていた』側の苛立ちを、二人でどう乗り越えられるか…とかですか?

若
さあ。正解はまた電話で教えます

飛鳥
…でも、遊馬さんをどうやってここに連れてきたんですか?

要人
それは俺が吹き込んだんですよ。『そこに行って未来を見せてくれた人がいたらしい』って世間話を。そして、ポストに入ってたと嘘をついて、この店のチラシを見せて…