- これは、愚か者が主軸の話。
- 所々、日替わりで文章やセリフがランダム排出されます
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愚か者は知らない家に忍び込むと、興味津々な視線で瓶に封じられた液体を観察した。
愚か者「」
彼の好奇心が芽生え、次に目にしたのは見知らぬ骨のようだった。美術館のようなこの家は、未知の舞台への冒険を約束していた。奥へ進むと、愚か者の心は冒険の興奮に包まれていく。彼が旅をする理由は、ここにあった。
愚か者「それにしても」
愚か者「…この家の住人は誰もいないのか?こんなんじゃ、」
__誰かいるのかい?
花屋の花を選ぶように物色している最中、どこからか声が聞こえた。その声は嫌味っぽく、歓迎の気配はどこにもない。愚か者は素早く息を潜め、謎めいた声に耳を傾ける。足音が近づくにつれ、心臓の鼓動が加速した。
魔術師「もしも、誰もいないならこの部屋の明かりはつかないはず…」
言葉を聞いた瞬間、愚か者は焦りに身を任せ、本だらけの部屋で息を潜めていると、ドアが開かれ、まばゆい光が部屋を一瞬で包み込む。焦燥感と緊迫感が、空気を引き裂くような瞬間だった。
魔術師「ふふ、」
愚か者「なに!?え!?」
愚か者の脳は混乱し、思考が追いつかなかった。大きな本たちが立ち並び、見上げなければいいけないほどの存在感を放つ大きな花瓶が目の前にそびえたつ。白い塊は一体何だろう?それが蝋なのか、愚か者には理解できない謎が広がっていた。その一方で、魔術師はほくそ笑みながら、ゆっくりとこう囁いた。
魔術師「馬鹿ね。」
愚か者は更なる驚きと混乱に包まれた。魔術師は愚か者をそっと摘み、透明な瓶に静かに閉じ込めた。その瞬間、閉じ込められたことに気づいた愚か者は、小さく縮んだ自分の体に戸惑いを覚えた。絶望が心を襲い、小さな声も闇に呑み込まれた。不気味な沈黙が魔術師の部屋を支配し、冷たい風が静寂を切り裂いた。広がるのは無情な孤独と永遠の暗闇だけだった。
「出してくれ!道に迷っただけなんだ!」愚か者の叫び声が切なく響くが、魔術師は冷酷に答えた。
魔術師「あーあ。こんな小さな声では何も聞こえやしないわ」
〈終〉
今作は、愚か者が魔術師の罠にまんまとハマってしまうという世界線。