ep.36

しかし、これからどうします?

え?どうって、「寝たら元の時代に帰れる」って言ってませんでしたか?

僕たちのことじゃなくて!!

あなたのこと!!!!!

ああ。そのことですか

霊力とかそういう類で今の地位があったなら、これからどうするんですか?インチキしますか?それとも別の人生を歩むのですか?

まあ嘘はつけませんからね

じゃあ、この家から出て行くの?

まあそうですね。そうするしかないでしょう

あの…

どうしました?

私、霊感ってやつ…あるかもしれません

え?どうしてそう思ったの???

若のうしろにいる人っぽい何かも見えてますし、霊力を吸われる儀式?の前から、黎様の周りに青いものが漂ってるのが見えてました…今は霊力が取れちゃったのでなにもありませんが…

そういえば!!龍が、黎さんの呪文を真似したせいで、令和時代に戻ったんだった!!

え!!ってことは…!

あ?今、僕の後ろに何かいるって言いました?

ほう…。なるほど…。私の言葉を真似したからと言って、そう出来ることではありません。…龍。もしかしたら、あなた…私と同等のことが出来るのでは…?

待って!!どうにか出来ちゃうんじゃない!?!

おい無視すんな

…うん。うん。…そうですね。龍が良ければ、私の仕事を引き継いでくれませんか?

はい!黎様のお役に立てるのならばぜひ!!

もし、引き受けてくれるのならば、この土地や財産、全てを龍に引き渡しましょう

え。ってことは…黎はどうなるの…?

私はこの家を出ます

どうしてですか!!貴方はここにいるべきです!!

いえ。私はそういう類のことが出来たから、この生活をさせてもらえた身。何も出来ない以上、ここにいてはダメなんです

お願いです!貴方という存在が、町の人の安心に繋がるんです

嘘でもいい。貴方はこれまで通り、霊力がある人としていてください。代わりに私が仕事をします。見習い人や付き人として、私が同行すれば…ほら!うまくいきそうじゃないですか!!

しかし…それでは…

そんなに何も出来ない自分に罪悪感があるなら…

……

僕、いいこと思いつきました

なになにー?

さすが若!頼りになる男!

もう夜か…。時間があまりないな

紙と筆をください!文字や図を書きながら、説明しますね