ep.38
先日の若の提案
そんなに罪悪感を感じるならば、いっそのこと世代交代ということにして、黎が師範みたいなポジションになればいいんですよ
というと…?
龍のように貧しい人の中にも、そういうことが出来る人がいる…ってことはですよ!
もしかしたら、他にも世のために出来る人間がたくさんいるかもしれません
確かに!龍以外にも「実は…」って人がいるかも!
ならばですよ。黎は、術が使えなくても、術を教えることが出来る
!!
龍は、黎の一番弟子として活躍すればいい
あなたは師範として、自分の知識をいろんな人に受けつくべきです
そうですよ!黎様はここにいるべきです!若、とてもいいですね!!…でも、どうやって…人を集めますか?
そういえば、平安時代って貴族の男しか勉強させてもらえなかったんでしたっけ?
まあ…
そうですね。私も学びの場に興味がありましたが……やはり…
そうきたらですよ。日中は、貧しい子供達の為に無料学校を開きましょう。龍以外にも、学びたいと思う人はいるはずです。親を病気で亡くした子供も、ここで勉強することによって、いい仕事に就けたり、未来の幅が広がります。立派な社会貢献になるでしょう
そして!日中は勉強を教えながら、龍みたいに祓い業の才能がある人物を見極めて勧誘…!
若ー。私もなにか師範してみたいです
あー。じゃあ運動神経よかったんで、運動の先生とかでいいんじゃないですか?鞠蹴って、かけっこでもして、子供の健康を向上させつつ、友達作りの場にするとか…
わーい!!運動の先生になりました!
これで完璧っ!!
わ!若がドヤ顔してる!!
昼間は、親を亡くした子供たちが、一人で生きていけるように無料学校というものを開き、私が座学…勉強全般の先生になって、
私が運動の先生で、体をいっぱい動かす授業をする!
そして日暮れ時は、龍と共に祓い業などをやったり、他の弟子にも術を教える…
やはり未来の人はすごいですね。こんな素晴らしい発想、思いつきもしませんでした…
?…おや。何を書いているんですか?
ああ。これは日記です!
…この浮諸原龍之介ってのは誰のことです?
私です!若が、「日記帳に書く名前は本名じゃなくて、ペンネームっていう自分だけが分かる名前にした方がいいですよ。本名でそんなの書いたら、息を引き取った時に、誰かに読まれるかもっていう不安と恥ずかしさで成仏できなくなると思うので」って教えてくれたので、参考にしました!
へえ
えーっと。この『怒る』って感じの表現はー…うーん…
そうだ!若が言ってた気がします!
えーーっと
黎様が…授業を続ける為に、鬼のように怒った…その姿はまるで鬼のような人!
子供も大人も関係ない!その姿はごくあく!
よ〜し。今日の日記完成です!
…ほう。これが原因で、未来では私は鬼と呼ばれていたのですね
何か言いましたか?
いいえ。まあ、これも悪くないですね
しかし、私たちは若と流星にいろいろやってもらってばっかりで…何もお礼できませんでしたね。眠気が襲って感謝の言葉もロクに言えませんでした…。朝起きたら、本当に二人とも隣にいなくて…
そうですね。感謝の言葉を伝える前に、三人ともぐっすりでしたからね
…でも、一つ方法がありますよ
え!?二人は未来に帰ってしまったのですよ?
何を言っているのですか
この小泉黎は歴史に名を残す男ですよ
!!!
一つ方法があります